入居者の安心・安全のために
「防災」で空室対策と テナントリテンションを叶える
東日本を襲った未曾有の大震災からこの3月で丸10年。月日が過ぎるのはあっという間ですが、その間にも2016年の熊本地震(震度7)、2018年の大阪府北部地震(震度6弱)、北海道胆振東部地震(震度7)などが発生しており、改めて日本が地震大国であること、さらには台風、水害などの災害と隣り合わせであることを痛感させられます。
いつ起こるかわからない災害だからこそ、いざという時の備えが重要。また、賃貸経営者としては入居者に安心・安全を提供することも考えなくてはなりません。
一方で、災害に対する安心を謳えれば、近隣競合物件との差別化や入居者満足度アップの効果も。これらの両面から、災害対策を考えてみましょう。
①防災バッグ プレゼント
入居者の安全確保と訴求力向上を同時に叶えるのが、災害時のお役立ちグッズの詰め込まれた「防災バッグ」のプレゼントです。セット商品は種類が膨大にありますので、予算と中身のバランスを見て選択しましょう。
また、防災グッズ一式でなくとも、次のようなアイテムを備蓄・提供できれば、万一の際に役立ちますし、喜ばれます。
●水・非常食・・・
生きるための基本。非常食には、ガスや電気が使えない状況でもすぐに食べられる缶詰や乾パン、賞味期限の長い栄養補助食品がおすすめ。賞味期限に合わせて入れ替えが必要ですが、期限切れ前の非常食を利用して試食会や防災訓練、入居者交流会などを開催し、防災アピールをするのも有意義です。
●ハザードマップ・指定避難場所の地図・・・
災害時はもちろん、被災後の安全の確保も重要です。地域の避難場所への地図のほか、物件内の避難経路も用意しておきましょう。
●携帯トイレ・・・
ライフライン停止時はもちろん、避難所でも問題となりやすいのがトイレ。特に女性には大きな不安要素となります。ウェットティッシュもあると尚良し。
●防寒具・・・
冬場だけでなく豪雨災害などでも体温維持は重要。カイロや毛布、嵩張らない折り畳み式のアルミ製ブランケットが役立ちます。
②防災倉庫の設置
物件単位での施策として、空きスペースがあれば防災用具をまとめた「防災倉庫」を設置するのも一つです。お勧めは、大規模な災害時の救助活動に役立つ三種の神器「ノコギリ・バール・ジャッキ」のセット。また、スコップやハンマーといった工具類、ロープや軍手、安全靴、ヘッドライト、ブルーシートなど、いざという時の備えが物件にあれば、入居者に与える安心感は倍増するでしょう。
③室内の安心提供
大地震の際は、倒れた家具の下敷きになって命を落とすケースも多くあります。「対策をしなかった入居者の責任」と言ってしまえばそれまでですが、一方で賃貸住宅では、壁や天井を傷つけてしまうのを気にして対策のできていない入居者も。あらかじめ配慮があると安心度・満足度に大きな差が生まれます。
●家具転倒防止策なら現状回復免除・・・
●震災対策グッズの提供・・・
前述の転倒防止ベルトや転倒防止突っ張り棒、地震の際に棚類の扉をロックしてくれる「耐震ラッチ」などを提供します。どれも数百円~3千円程度で用意できます。
●ガラスの飛散防止フィルム・・・
地震や台風で怪我をする場合の多くが、割れて飛散したガラスによるもの。防犯効果も兼ね備えた商品なら一石二鳥です。価格は1枚1,000円程度から。
自然災害に備えている賃貸物件はまだまだ少ないのが現状。だからこそ、貸し手側からの積極的な対策は入居者・入居希望者の心に響きます。双方にメリットをもたらす防災対策に、この機会に是非ご検討ください。
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