雨漏りする、その前に・・・収益アップへの布石・長期修繕計画のすすめ
台風の多い季節になりましたね。
そこで皆さん、暴風や大雨への対策は万全でしょうか?
昨年の台風では暴風で
家の屋根が飛んでしまい補修するにはお金がかるため売却したい。
アパートの屋根が飛びそうになっていると近隣の方から連絡があったので見てほしい。
などの相談がありました。
災害時ほど日ごろのメンテンナンスの良し悪しが試されます。
近年の異常気象に備え、「長期修繕計画」や定期的な「大規模修繕」について考えてみましょう。
壊れてからでは損をする。修繕資金の早期積立が大切です
多額に費用を必要とする大規模修繕ですが、はじめの一歩は長期修繕計画をたてることです。国交省の調査によれば個人家主1126人のうち、長期修繕計画を補修物件の半数以上に対して用意できている家主はわずか21.3%に留まったとのこと。
大規模修繕を実施しない理由には、「資金的余裕がない」という声が最も多く、資金繰りの難しさがうかがえます。
ですが、要修繕箇所の放置は、雨水の侵入や雨漏り、外壁のはく落といった緊急事態につながりかねません。
加えて、事故が起こってからの対処費用は自己を未然に防ぐメンテンナンス費用よりもはるかに高額になってしまいます。
事前に修繕計画を立てておけば修繕する箇所と時期が明確になり、資金も積立やすくなります。
長期修繕計画の重要チェックポイントと目安。
①鉄部塗装
外廊下やエントランス、階段などの鉄部を塗装します。
鉄部は劣化が早く、錆の発生・腐食によって強度も落ちてしまうため注意が必要です。
劣化部分は入居者の目にも留まりやすく、物件の印象を悪くしてしまうこともあるため5年から7年ごとに塗りなおしがおすすめです。
②共用部の防水処理・美観回復
共用部では防水処理も重要です。
廊下床やバルコニー床の防水施工、サッシまわりのシーリング工事が代表的な部分です。
防水処理を怠ると、軒天からの漏水や下の階への浸水につながってしまうこともあります。特に鉄筋・鉄骨のマンションで雨漏りが起こると浸水場所がわからず補修時間・費用ともに掛かってしまいます。
事態が深刻化する前に手を打つことがおすすめです。
また、年数が経つと日常清掃ではてに負えない汚れも目立ってきます。美観向上のためにも定期的な高圧洗浄がおすすめです。
③外壁塗装
紫外線や雨風により劣化した外壁を塗り直すことで、防水性を回復します。塗装の劣化を放置すると、外壁に少しづつヒビ割れが生じ、浸水によって内部の腐食に発展してしまいます。10年から15年を目安に行うのがおすすめです。
また外壁は入居者が直接目にしやすい部分であり、美観維持の面からも重要です。
色やデザインのセンス次第で物件の印象も大きく変わり賃料にいい影響が与えられる場合もあります!!
④屋根塗装・修繕
アパートで最も雨漏りの原因になりやすいのが屋根の劣化です。
屋根塗装は屋根材を塗膜で覆い、紫外線などから屋根材を自体の劣化を防ぐことで物件を長持ちさせてくれます。
修繕時期は屋根材にもよりますが、主流のスレート屋根であれば10年程度でのメンテナンスが基本となります。
また定期点検も行ってください。
屋根材に割れが生じたり、屋根材を固定する棟板金(むねばんきん)が緩んだりしてしまうと、台風時に部材が吹き飛んでしまい周辺に被害を与えてしまうこともあります。
点検により早期不具合発見は劣化防止に大いに有効です。
なお、屋根の工事は外壁塗装と同じく、高いところでの作業のため足場が必要となります、屋根と外壁の塗装をまとめて行うことで出費を抑えることもできます。
⑤屋上防水
マンションなどの陸屋根では、屋上防水のメンテナンスも重要です。
こう配がほとんどないため水はけが悪く、防水を怠れば雨漏りしてしまう可能性は大
物件の耐火年数を確認し、表面のひび割れや水たまり、排水溝のごみ詰まりなど予兆が見られないか定期的に点検しておきましょう。
修繕は防水の種類によって異なりますがだいたい10年から15年になります。
計画的なメンテナンスは収益増のチャンスにも
修繕の時期や費用は物件によって異なりますが概ね下記表のようになります。
修繕計画を立てる際には
①何年に一度のペースで行っていくのか?
②総工事費用はいくらになるのか?
③工事費に対して毎月いくら積み立てていけばよいのか?
を決めてください。
計画的なメンテナンスは賃料水準の維持や空室日数の短縮、修繕費用の節減に効果を発揮し収益性を高めることにつながります。
リスク回避の維持管理だけでなく、前向きな投資行為にもなり得る大規模修繕。
安定した賃貸経営を行うためにもこの機会に超規模修繕計画を作成し「積立て」を始めてみましょう。
お困りごとのある大家様。ぜひご相談ください。

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